ラヨーンの海

シーズン再開とはいえ、まだゲストも少ないタオ島。こういう時でないと動けない!ということで、かねてから話題に上っていたラヨーンに潜りに行って来ました。
タイ在住のお客様と同行し、陸も海もガイドして(笑)いただきましたが、お世話になったのはラヨーンダイブセンター。デイトリップ船だけでなく、自社クルーズ船も所有している、このエリアを代表するダイビングショップです。

ショップや船の紹介は後でまとめることにして、まず気になる海の様子 から。

今回クルーズが満席だったため、土日の二日間デイトリップで潜りましたが、二日ともポイントは同じで、かなり沖合いのアルハンブラ・ロックと帰途にあるタル島でした。アルハンブラ・ロックは隠れ根ですが、大きな根が二つに分かれているので、それぞれ1ダイブずつ潜り、そこから移動して3本目がタル島です。
荷物の問題もあり一眼は持って行けなかったので、RICOHのコンデジWG-6マクロ一本勝負!前にもご紹介しましたが、1cmマクロモードリングライトが付いていて、マクロの撮り易いカメラです。

 

まずはやや深めの岩壁に貼り付き、オレンジリーフゴビーの探索。タオではかなりレアな魚ですが、ここは個体数も多くてあまり逃げません。

赤いヤギを見ていくと、こちらはタオほど多くはないものの、場所によりアカスジカクレエビがグッチャリ付いています。

白っぽいムチヤギ?も多いのですが、その大半と言っても過言でないほどガラスハゼの仲間が付いてます。1本に何個体もいる場所もありました。

同じ辺りのムチヤギには、キヌヅツミガイの仲間も良く付いています、中には色違いで近くにいるものも。

タオにも沢山いるハナビラクマノミはここでもレギュラーメンバーのようです。数は多いので、探せばちょっと変わったヤツも。

左だけですが眉毛のような点がある「片マロ」です。

良く見ると砂地にはオシャレカクレエビも沢山。そこはタオとあまり変わりませんが、色がよりハッキリしている印象です。


アルハンブラ・ロック
の別のエリアにはウミウシが集まっていました。繁殖のためでしょうか?ロータスミノウミウシだと思われますが、重なり合っているものも。

ここのウミウシは古い漁網やロープに付いていましたが、そのロープをじっくり見てみると…

水中花、おそらくベニクダウミヒドラが綺麗に開いています。小さくて見落としがちですが。下でウミウシを撮っているダイバーのエアを入れると涼しげな画になります。

すぐに逃げてしまうので撮り難いですが、変わったところではオビイシヨウジ

岩壁にはハナイソギンチャクモドキがかなり付いています。地味なものが大半ですが、光を当てると綺麗な色が出るものも。

そして、サンゴの隙間にパンダダルマハゼを発見!肉眼では顔が見えますが、カメラで覗ける場所に出てきてくれず。白黒の胴体部分の証拠写真です。コンデジではさすがにピントが来ませんが、サンゴの奥まで光が入るのはリングライトのおかげ。今度は一眼でちゃんと狙いたいですね。

ポイントを変えて、3本目は浅いタル島の砂地へ。何も無い場所のようですが、流して行くと珍しいものにも出会えます。

タオではまず見ないムカデミノウミウシ。綺麗な青い体色です。細長いので、丸まってくれると撮り易いのですが。

まさかいないだろう、という浅い水深でしたが、ゴルゴニアンシュリンプも2個体。

写真は撮れませんでしたが、この他にもトウアカクマノミやイソギンチャクに付くエビ、ヒメオニオコゼ、カサゴの仲間の幼魚、タオにはいない共生ハゼの仲間など、砂地の割にいろいろ出てきます。まだあまり潜り込まれていないので、これからが楽しみなポイントです。

今回はマクロに特化しましたが、それだけで面白いダイビングでした。一眼を持って行ったら、さらにいろいろ撮れそうです。機会があればワイドの撮影もしたいと思っています。来期かな?

 

サイリーリーフでマクロ探し

タオ島に戻って来て、ようやくダイビング再開です。まだゲストが少ないのでカメラを持って新シーズンのリサーチを兼ねて潜って来ました。
レスキュー講習のため船は停泊しているサイリービーチ沖から動かさず、リーフとその外の砂地をウロウロ。普段ほとんど潜らない場所なので、変わった物がいないかどうか…興味が湧きます。

砂地には共生ハゼもいますが、過去に見た記憶が無いのが、この泳ぎ回るタイプのハゼ。結構な個体数があちこちの砂の上でチョコチョコしています。

トンガリハゼ属の1種-3 と図鑑に記載されている内湾性のハゼらしいです。他の砂地にはいないのか?これから注意してみたいと思います。

点在する小さな根には甲殻類なども付いています。どこにでもいるのはオシャレカクレエビ。正面顔がバルタン星人みたいですね。

そして個体数は少ないのですが、たま~に見掛けるシャコの仲間。こちらはロボコンのよう。

砂の上にモジャモジャと生えている藻?に紛れていた小さなエビ。これは種類不明で、やはり初めて見た生物です。

 

リーフの間の砂地やサンゴの周りではスズメダイの仲間、水深も浅いためか幼魚が目立ちます。

子供のうちだけ綺麗な(笑)オジロスズメダイの幼魚。

こちらも幼魚の体色が美しい、ブルーバックダムゼル。ただ、もっと小さいステージの個体が見当たらず。普通にいそうな環境なんですが…。

成長すると青いラインや眼状斑が消えて色が薄くなりますが、クリーム色に薄紫がかった色合いも上品で綺麗ではあります。さらに成長すると色が無くなるので、このぐらいまでが被写体としてお勧め。

幼魚と言えば、かなり大きくなってすでに動きが緩慢でしたが、チョウチョウコショウダイの幼魚のダンスも見られました。まだ綺麗な模様です。

 

エダサンゴの中はテンジクダイの仲間の住み家。タオではちょっと珍しいクロオビアトヒキテンジクダイも群れていました。名前の通りクロオビは有るタイプ。

タオで見るのはクロオビが薄くなったり消えてしまったタイプですが、ここでは両方入り混じっていました。

鰓蓋の赤い二本線と、眼から吻(鼻先)にかけての蛍光グリーンのラインが綺麗な魚です。

共生ハゼはレギュラーメンバーのギンガハゼなどもいましたが、比較的多かったのがシノビハゼです。一見地味な感じですが、光を当てると斑紋が金色っぽく、顔の周りにも色が付いているのがわかります。個人的に好きなハゼです。

あまり潜らない場所だけに、新しい発見もありましたし、他のポイントとはまたちょっと違った生物がいる感じでした。潜り込んだら面白いかも知れません。

カメラを持って潜る機会が有れば、またご報告します。